トヨタ自動車の兄弟ともあろう会社が技術の進歩を怠り、「金の成る木」を枯らした。
2020年10月号 DEEP
今から4年前の2016年、元技術統括専務らを、スマートフォンなどに組み込まれるセンサーの技術を盗んで他人に開示したとして刑事告訴し翌年逮捕させるなど「日産カルロス・ゴーン事件」ばりの行動に先に出ていたトヨタグループの一員、愛知製鋼。そこまでするほどの技術を持っているならさぞかし立派にセンサー事業を育成・展開していると思いきや、鳴かず飛ばずの状態が続いている。裁判の過程からは、大口取引消滅という一大事を「事件」で取り繕っているようにも見える。技術の進歩を止めたメーカーに「ケーレツ」など存在しないIT市場は容赦なく厳しい。スマホの技術動向に詳しいIT業界関係者によると、下り坂の始まりは米アップルへのセンサー納入をめぐる社内での事業方針の対立だった。自動車のクランクシャフトなど鍛造品が主力の愛知製鋼は、スマホの電子コンパス機能に欠かせない小型センサー ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。