現預金は昨年10月末の2191億円が今年7月末には965億円まで半減。資金ショートの恐れも。
2020年11月号 BUSINESS
旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)、そして創業者である澤田秀雄会長兼社長がかつてない苦境に立たされている。言うまでもなく原因はコロナ禍の直撃だ。2020年10月期は318億円もの最終赤字に陥る見通しで、たまらず香港拠点の投資ファンドに対し第三者割当増資を実施して80億円の資本増強を行うこととなった。今回、直接のきっかけとなったのは345億円の残高を抱えるシンジケートローンの財務制限条項だ。純資産の減少率が一定に達すると発動されるもので、それを起爆点に無担保社債300億円や転換社債250億円にも次々と誘爆し、期限の利益を喪失しかねない代物だった。猛烈なキャッシュアウトが続き、HISの現預金は昨年10月末の2191億円が今年7月末には965億円まで半減。900億円近い弁済を迫られれば、資金ショートの恐れさえある。HISは7月、米系証券会社に相談、約2週間後に紹介されたのが香港のロ ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。