「菅・杉田ライン」の強大な裏権力が、図らずも学術会議という本来「非政治的」であるべき人事であからさまになった。
2020年11月号 POLITICS [果たして宰相の器か]
日本学術会議の任命拒否問題は、菅義偉首相の権謀術数に違いないという陰謀論がある。世論の反発が起きるのは織り込み済みで、政権批判を逆手に取り、学術会議のあり方見直し論へ土俵をずらし、行革政権の目玉をもう一つ作って高支持率発進した助走を加速させようという深謀遠慮だというのだ。買いかぶりはほどほどにした方がいい。共産党機関紙「赤旗」のスクープを新聞各紙が追いかけて時ならぬ騒ぎになった直後、記者会見に臨んだ加藤勝信官房長官の表情は困惑と緊張を隠しようもなかった。菅首相自ら内閣記者会のインタビューに応じた時の言い逃れも説明になっていないだけでなく、理屈や論点が五月雨式に付け加わっていったのは明らかだ。のっけから「学術会議が必要なのかも含めて議論」と存廃をちらつかせて恫喝する始末。こうなるだろうと予期し、理論武装していた様子はない。黒川弘務元東京高 ………
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