片野坂社長は「公的支援は求めない」の一点張りだが、過剰債務によってゾンビ化の恐れ。
2020年12月号 BUSINESS
新型コロナウイルスの打撃が日本の航空産業に表れ始めた。ダメージが目立つのは、日本航空の経営破綻後、事業拡大に突き進んだANAホールディングスだ。10月下旬の記者会見では2021年3月期の連結最終損益が5100億円の赤字になると発表した。これは、リーマンショック後の10年3月期に計上した最終赤字(573億円)の9倍、過去最悪の数値となる。ANAの片野坂真哉社長は「来期の黒字達成」を掲げ、「給料を減額してでも雇用は守る」と表明した。だが、コロナ収束の兆しは見えず、実現性には疑問符が付く。10年前のJAL再生に関わった専門家らは「資本注入が必要になる」と口を揃える。ANAが発表した20年4~9月期決算は、売上高が前年同期比72%減の2918億円、最終損益が1884億円の赤字(前年同期567億円の黒字)となった。同社は航空需要の落ち込みが続くとみて、コスト削減と資金調達を急ぐ。大型のボーイン ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。