JR東労租「銭ゲバ裁判」の闇

JR東日本には12もの単組が乱立。混迷する労組事情が安全運行に影響しないだろうか。

2020年12月号 DEEP

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かつて東日本旅客鉄道(JR東日本)を労組トップの立場で裏側から牛耳った松崎明氏の死から10年――。東日本旅客鉄道労働組合(JR東労組)を巡る激震が続いている。2年前に起こった組合員の大量脱退を機に組織内で激しい内紛が勃発、今年2月には中央本部の新体制によりパージされた東京、八王子、水戸の各地方本部(地本)の旧執行部メンバーを中心に新労組が結成された。この間、旧執行部下での不透明な資金消失が発覚、裁判に発展する異常事態だ。

カネ絡みの不祥事が噴出

現在、係属中の訴訟は少なくとも6件ある。いずれも3月以降にJR東労組が原告となり提訴したものだ。相手取ったのは東京地本の旧執行部9人や八王子地本の元副委員長、それに水戸地本の元執行委員など。組合費不正利得返還や損害賠償などで支払いを求めている額は合計で1億1799万円に上る。3千万円を請求している八王子地本の例を取り上げると、事の経緯は次 ………

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