三木谷が買った「腐った果実」

西友買収は3年前にも持ち掛けられた。空白期間に熟すどころか腐った会社を買う愚。

2021年1月号 BUSINESS

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「買い物下手」で知られる楽天会長兼社長の三木谷浩史にとって、また一つ黒歴史になりそうな案件が登場した。11月16日、楽天と米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)は、2021年初めに共同でスーパー大手の西友を買収すると発表した。親会社の米ウォルマートからKKRが西友株65%、楽天は20%を買い取る。

米ウォルマートから打診

西友の企業価値は約1700億円と見積もったというから、単純計算で楽天の出資額は約350億円。今はやりのデジタルトランスフォーメーション(DX)を掲げ、「AIやビッグデータを駆使してリアルとネットの融合を進める」(楽天幹部)というお題目はご立派だが、一つ大きな問題がある。それは楽天が手に入れる西友が、リアル進出への足場としてはほとんど期待できない点だ。日本市場から撤退したがっていたウォルマートから、「腐った果実」を押し付けられたのが実態だろう。西友買収 ………

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