間近に迫る本格的な開発。航空機に関心がない経営陣。拙い実績でも「成功」と言い張る現場では日本の空を守れない。
2021年3月号 BUSINESS [繰り返される「失敗の本質」]
主力戦闘機「F2」の後継となる次期戦闘機は、敵のレーダーに捕捉されにくいステルス性能と高い運動性、そして高度な電子戦システムを持つ「第5世代」と呼ばれるタイプである。2035年に実用化するため防衛省は20年10月、開発主体者として三菱重工業と契約を結んだ。日本政府が日本企業を主体者に指名するというのは一見当たり前のように見える契約だが、防衛関係者にとっては画期的なことだった。それはこんな経緯があるからだ。政府は1980年代後半のF2開発で日本主導を目論んだが、そこに米国から横槍が入り、最終的には日米共同開発となった。F2は出来上がったものの、肝心な先端技術は米国がブラックボックスにしたため、日本には技術的な蓄積が残らずじまいとなった。共同開発だから機体の改修や性能向上などアフターサービス面でも機動力が失われた。事実上、戦闘機開発の敗戦である。だから「F2後 ………
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