「前代未聞の大喧嘩」は失敗どころかシナリオ通り。表舞台より水面下の戦いに注目。
2021年5月号 BUSINESS
「あなたの説明は、私が日本と韓国から聞いた話とずいぶん違う」「米国には中国に対して強者の立場から話す資格などない」3月18日に米国アラスカ州アンカレッジで開いた米中会談は、罵り合いとも呼べる激しい言葉の応酬に終わった。米国でバイデン政権が発足して初の外交トップ会談である。事前には、トランプ政権時代に冷戦状態に陥った米中関係が、雪解けに向かう糸口になるとの見方もあった。そんな期待をあっさり裏切り、ブリンケン米国務長官と中国共産党の楊潔篪(ヤン・ジエチー)政治局員は、前代未聞の大喧嘩を繰り広げた。米中の衝突は決定的になったかに見える。だが、アラスカ会談に至るまでの外交の舞台裏に目を向けなければならない。双方にとって会談は決して「失敗」ではなかった。いや、むしろシナリオ通りというべきかもしれない。
時計の針を2月11日に戻そう。旧正月を迎える中華 ………
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