コロナで痛めつけられっぱなしのデパート業界。復権へ放逐された大西洋待望論まで出る始末。
2021年7月号 BUSINESS
「行政が言っていることは無茶苦茶だよ。だけど抗う術がない」。ある大手百貨店の幹部はこうため息をつく。新型コロナウイルスの終息が見通せず、かつては「小売りの王様」と呼ばれた百貨店が追い込まれている。
百貨店の凋落は今に始まったことではないが、追い打ちをかけたのが緊急事態宣言に伴う大型商業施設への休業要請だ。4月25日から東京都や大阪府などで出された宣言は延長に次ぐ延長で、かき入れ時の夏バーゲンへの大打撃は確実。昨年の悪夢が再び訪れる可能性が高い。しかし東京都知事の小池百合子や大阪府知事の吉村洋文に瀕死の百貨店を救う気はない。それを象徴するのが「請願無視」と「必需品問題」である。宣言が出される前の4月15日、日本百貨店協会(百協)は政府や大阪府に、宣言中の休業要請を回避する要望書を提出した。そもそも感染対策が比較的徹底されている百貨店では大規模 ………
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