米国での立ち位置は大規模リコール事件当時と酷似。危険な空気が章男社長に伝わっていない。
2021年9月号 BUSINESS
米ニューヨーク・タイムズが久しぶりにトヨタ自動車の記事を1面に掲載したのは7月26日のことだ。といってもオウンドメディアの「トヨタイムズ」が報じるような美談ではない。記事では渉外担当の幹部が米首都ワシントンでひそかに議会関係者と会い、電気自動車(EV)の普及を遅らせるように働きかけたと暴いた。
トヨタが1997年に発売した「プリウス」は世界初の量産ハイブリッド車(HV)として名を馳せ、環境車の代名詞となった。米国でも認知度は高く、ヘッドラインは「プリウスのメーカーが今や環境規制の強化に抵抗」。「先駆者だったが無様な姿になり果てた」との専門家のコメントで記事を結んでいる。同社が急速なEVシフトに異を唱えてきたのはこれまでも本誌で報じてきたとおりだ。欧米メーカーを中心にEVへの切り替えを喧伝し、アピール合戦の様相を呈しているが、トヨタは距離を置いてきた。 ………
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