世界各国は、今冬の本格的流行を乗り切る準備に余念がないが、うつつを抜かす日本はキリギリスのごとく「死ぬ」しかない。
2021年9月号 LIFE [特別寄稿 アリとキリギリス]
「東京五輪は、日本人にとって、どのように記憶されるでしょうか」海外メディアから、このように質問されることがある。これに対し、筆者はイソップ寓話に登場する『アリとキリギリス』に喩えることにしている。世界の懸念は、今冬の本格的流行を乗り切ることができるかだ。今冬を乗り切れば、新型コロナウイルス対策の出口が見えてくる。各国は、その準備に余念がない。一方、日本は東京五輪にうつつを抜かし、準備が出来ていない。このままでは、冬場の大流行でキリギリスのごとく、「死ぬ」しかない。本稿では、海外と比較し、日本のコロナ対応の問題を論じたい。まずは現状だ。日本の感染者数は鰻登りで、8月4日の人口100万人あたりの新規感染者数は88.6人(7日間平均)で、最高値を更新し続けている。政府は、東京都・大阪府・沖縄県に加え、神奈川・埼玉・千葉県に緊急事態宣言を発令したが、感染 ………
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