攻めの「日鉄」 逃げの「トヨタ」

財界活動でも盟友だった2社が全面戦争。「世間受け」と「息子への世襲」にしか興味のない章男社長は逃げるばかり。

2021年12月号 BUSINESS [浮かび上がる経営者の力量差]

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トヨタ自動車は11月4日、2022年3月期の通期業績見通しで、純利益が過去最高だった18年3月期の2兆4939億円に迫る2兆4900億円になると発表した。22年3月期の連結出荷台数は半導体の供給不足などの影響を受けて前回の予想から1.7%減の855万台となるものの、円安効果や、ドル箱の北米市場では供給不足によって旺盛な新車需要に対応できなかったことで、かえって新車価格の値引きを抑えることにつながり、収益を押し上げる。

日鉄に対する強烈な当てこすり

過去最高水準の利益を上げながらもトヨタの近健太CFO(最高財務責任者)は「円安の影響を除けば資材高騰の影響もあって通期見通しは実質下方修正」と説明した。営業損益段階では、円安の影響で4450億円、値引き抑制などによる営業面の努力で9200億円の増益要因があったものの、トヨタが得意とする「原価改善」で3450億円の減益要因が生じた。通常、年間で原価改善効果は3000億円程 ………

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