「小型原子炉はコスト的に見合わない。日本のどこに設置するのか。消えゆく産業が最後にあがいている」(河野太郎)
2021年12月号 DEEP [百花繚乱の開発競争]
東京電力福島第一原発事故から10年を経て、いま脚光を浴びているのが小型モジュール炉「SMR (Small Modular Reactor)」である。9月29日に行われた自民党総裁選挙でも焦点の一つとなった。岸田文雄候補(現首相)が「原子力は大切な選択肢だ。将来的に小型炉、核融合に繋げていくということだ」と述べると、高市早苗候補も「優先したいのは小型モジュール炉の地下立地で、もう一つは核融合炉だ」と原発重視路線に前のめりの姿勢を見せた。高市氏は「地下式原子力発電所政策推進議員連盟」の顧問である。平仄を合わせるように原発推進の論陣を張る読売新聞は9月17日の社説で、小型炉や高温ガス炉の効用に触れながら、「政府の継続した取組が必要である」と強調した。10月5日には原子力委員会が海外電力調査会の黒田雄二上席研究員を呼んで、「世界の小型モジュール炉の開発動向」について聴取した。SMRを前 ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。