プーチンのウクライナ奪還と習近平の台湾統一の野望は重なる。呼応するように台湾などへの威嚇行動を強めてきた。
2022年1月号 POLITICS [世界秩序の分岐点]
ロシアのウラジーミル・プーチン政権がウクライナとの国境周辺に10万人規模の軍を集結させ、新たな侵攻に乗り出すとの懸念が高まっている。アメリカ大統領ジョー・バイデンはプーチンとオンライン会談し、侵攻すれば強力な経済制裁を発動すると警告した。アメリカの抑止は果たして効くのか。アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンによる首都カブール制圧を許したアメリカ軍撤退の混乱直後の9月、ウクライナの首都キエフである会議が開かれた。ロシアの侵攻に直面し、アメリカの支援に頼るウクライナでも動揺が広がるなか、会議に出席していたアメリカ国家安全保障局(NSC)の元幹部が取材に対してこう語った。「率直に言って、ロシアがウクライナに侵攻しても、アメリカが軍事的にロシアと対峙する可能性はゼロだ」中国が台湾を攻撃した場合はどうか。「軍を投入する確率は8~9割だろう」そして ………
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