「東芝・東電統合」を阻む壁

3分割案は屠られることだろう。国有化した後の東電との統合がメーンシナリオだ。しかしかなりの難路が待ち受ける。

2022年2月号 BUSINESS

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東芝の社長兼CEO(最高経営責任者)である綱川智は自身の道化師役ぶりにうんざりしているに違いない。

保身が生んだ分割案

昨年11月、東芝はインフラサービス部門とデバイス部門、資産管理会社という位置づけの「東芝」に3分割する計画を発表。すると東芝株を保有するアクティビストが早々に「3分割案は東芝の長年にわたる課題を解決しない。追加情報の開示がない限り、計画を支持しない」などと反対を表明し、綱川に冷や水を浴びせた。綱川はそれにもめげず、1月5日の年頭あいさつで3分割というスピンオフ計画について触れ、「私はこの経営変革がグループの企業価値向上に向けた最善策であると確信している」と表明したが、その翌日に、アクティビストの3Dインベストメント・パートナーズが東芝に臨時株主総会の開催を請求、3分割に反対する姿勢を明確にした。アクティビストが目の敵のように扱うスピンオフ計画はどの ………

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