哀れ! iPS山中教授「賞味期限切れ」

10年前に喝采を浴びたiPS細胞は実用化の崖っ淵。研究所長退任はそれと無縁ではない。

2022年2月号 DEEP

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ノーベル生理学・医学賞受賞者の山中伸弥・京都大学教授が昨年12月、iPS細胞研究所の所長を今年3月いっぱいで退任すると表明した。関連する財団の理事長には留まり、資金集めやパトロン探しは続けるものの、名実ともに担ってきたiPS研究の主役の座を降りる。なぜか。「心血を注ぎ込んだiPS研究が崖っ淵だからだ」という見方がある。

天敵が舞い戻った

「研究者として最後の期間は自身の研究に注力したいという思いが日に日に強くなっていた。基礎研究者としてiPS細胞や医学・生物学の発展に貢献できるよう全力を尽くす」iPS細胞研究所所長の退任にあたり、山中教授は大学を通じてこんなコメントを出した。「基礎研究者として」というフレーズに、同氏の思いがにじみ出ている。山中氏が基礎研究者として卓越した能力を持っていることは疑いようがない。しかし臓器や神経の再生につながる夢の技術として1千億円を超える国 ………

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