負債総額は1兆1300億円。「民事再生ADR」成立の目処が立っておらず、法的整理に追い込まれる可能性も。
2022年4月号 BUSINESS
3月7日午前、東京・竹橋にあるオフィスビル2階の貸しホールは剣呑な空気に包まれていた。ひな壇に座ったのは、世界有数の自動車部品メーカー、マレリホールディングスの経営陣やアドバイザー。向かい合ったのは取引金融機関26社の営業・審査担当者らである。マレリの事実上の経営破綻を意味する「事業再生ADR」適用に向けた第1回債権者集会である。負債総額は1兆1300億円。メインバンクのみずほ銀行のほか、メガバンクや政府系金融機関、地銀に加え、中国などの銀行も残高を持つ。破綻規模は製造業として過去最大で、2017年に民事再生法を申し立てたタカタの負債1兆800億円を超える。しかも、申請したADR成立の目処がまったく立っておらず、「法的整理に追い込まれる可能性も低くない」(取引銀行役員)というのだから、銀行団に緊張感が漂うのも当然だ。
そもそもADR成立には、取引金融機関全社の合 ………
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