政府・与党は思考停止。全上場企業の約2割に雇調金の大盤振る舞いを続ける愚劣。
2022年4月号 BUSINESS
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、雇用保険財政が破綻の危機に喘いでいる。企業が従業員に支払う休業手当に充てる「雇用調整助成金」(雇調金)の支給が急増しているからだ。これまでは失業保険を支払う給付財源からの借り入れでしのいできたが、今年度末にはそれも払底する恐れがある。コロナ禍を受けた政府・与党の雇用対策は、雇調金に頼り切っている。確かに失業の増加は防げるが、それではゾンビ企業に従業員を縛り付ける現状維持が続くだけだ。政府・与党は成長産業への転職などを促す政策を打ち出し、雇用保険財政を立て直す必要がある。雇用保険制度は会社を辞めたり、倒産で仕事を失ったりした従業員に失業手当を支払う「失業事業」のほか、業績が悪化した企業が従業員を休業させた場合、その企業に休業手当の一部を助成する「雇用安定事業」がある。失業事業の雇用保険料は労使で折半し、 ………
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