「西部ガス」対露経済協力の落とし穴

ロシアと組んだLNG輸出が袋小路。命綱のマレーシア産LNG輸入にも黄信号が灯る。

2022年4月号 BUSINESS

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新型コロナウイルスのオミクロン株が日本で猛威を振るい始める直前、都市ガス大手4社の一角、西部ガスホールディングス(HD、本社・福岡市)の道永幸典社長は、西日本新聞の新年インタビューに応じていた。脱炭素化について問われると中国向けの液化天然ガス(LNG)積み替え・供給でひびきLNG基地(北九州市)を活用することでロシアのガス大手、ノバテクの子会社と合意したことを例に挙げ、「ひとつの成果を出すことができたと自負している。コロナ禍でもノバテク社側とはアジア向けLNG供給事業の協業について検討を重ねており、合弁会社設立についても引き続き協議していきたい」(1月5日付の西日本新聞朝刊)と明るい展望を語った。同社が1月28日に発表した2021年4~12月期の連結決算は最終損益が20億円の赤字(前年同期は3億円の赤字)だった。LNGを調達しているマレーシアの工場でトラブルが発生し ………

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