原子力社会の一部には「信ずればできる」という考え方が根強く残っているが、信念だけで新たな原発の実用化には至らない。
2022年5月号 LIFE [原発砲撃の蛮行]
2017年9月に原子力規制委員長を退任した後、全村避難の渦中に置かれた阿武隈山系の懐に位置する飯舘村に仮住まい(通称「飯舘山荘」)をして4年4カ月が経過した。2011年3月の東電福島第一原発(1F)の事故によって、避難を余儀なくされた住民には、今でも、「ここで生まれ、育ち、結婚し、子供を育ててきた自分の人生を無くした」、「大切な家屋、家財はすべて放射能で汚染されて使えない」、「放射能の高いところに孫は連れて戻れない」等の不満と失望が混在し、気持ちを整理できないまま、このすべての原因は原発であるという思いがある。1F事故から11年、復興の実感もなければ、復興への展望が全く見い出せない住民に日々向き合い、帰還する住民も少なく、除染を終えた広大な田畑は太陽光パネルに覆いつくされている光景を見ながら「地球規模の課題を太陽光パネルでは解決はできない」とか、我が国の ………
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