改革機運の後退に不満を抱いた10人以上の若手官僚が、まるで泥船から逃げ出すように退職。
2022年6月号 BUSINESS
鳴り物入りで発足したデジタル庁に強い逆風が吹いている。「行政のデジタル化を推進するための司令塔」との位置付けだが、厚生労働省や経済産業省など他省庁の造反が相次ぎ、当初期待されていたような成果は上がっていない。士気低下も深刻だ。官民から有能な人材を集めるとの触れ込みで、民間から起用された事務方トップの石倉洋子デジタル監(73)が8カ月足らずで交代し、そうしたデジタル庁に早々と見切りをつけた若手職員が大量に退職するなど、その惨状は目を覆うばかりだ。政府はデジタル庁を通じ、非効率な行政手続きの是正など規制改革を断行し、国民の利便性向上を目指している。だが、その前には中央省庁の強固な既得権益の壁が立ちはだかっており、もはやデジタル庁の改革機運は風前の灯だ。
今年3月、デジタル庁に衝撃が走った。マイナンバーカードに健康保険証の機能を付加した「マイナ ………
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