ドイツの脱「脱原発」現実味

年末までに完全脱原発を目指しているが、エネルギー価格が高騰。勢い増す原発賛成派。

2022年6月号 BUSINESS

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「長期的には太陽光が最大のエネルギー源になると思うが、それまでは原子力発電所を維持しないといけない。原発を止めるなんてことは完全に狂気の沙汰だ」。米テスラのイーロン・マスクCEO(最高経営責任者)はドイツメディア「WELT」のインタビューで、電気代高騰に対する懸念から、ドイツ政権の原発廃止政策を痛烈に批判した。

反対を上回る原発賛成派

テスラは欧州初の巨大EV(電気自動車)工場「ギガファクトリー」をベルリン近郊に立ち上げたばかり。3月22日の生産開始イベントには、ショルツ首相も駆せ参じ、「新しい技術による進歩、それがまさにここで起こっている。EVは未来のモビリティーを形づくるだろう」と手放しで礼賛したが、マスク氏には響かなかったようだ。ドイツ政府は今年末までにイザール2、エムスラント、ネッカーベストハイム2の原発3基の稼働を止め、完全なる「脱原発」の達成を目指している。メルケ ………

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