まもなく東京圏も人口減少の波に襲われる。過去の惰性で見当違いの政策を続けたら、日本そのものが沈むことになる。
2022年6月号 LIFE [老け込む東京]
政府の衆議院議員選挙区画定審議会(区割り審)が「1票の格差」の是正に向け新たな区割り作業を進めている。だが、このまま是正を繰り返せば自民党が分厚い支持層を持つ「地方」の選挙区は減り続け、いずれ政権交代を招きかねない。1票の格差は東京一極集中が続くことで生じており、それに歯止めがかかる可能性は小さいからだ。総務省によれば2021年10月1日現在の東京都の人口は1401万人で1995年以来26年ぶりに減少したが、それで地方圏の人口が増加に転じたわけではない。そもそも、東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県)の人口が減ったとしても、それ以上の勢いで地方の人口が減ると、相対的に東京一極集中の状態は続くのである。新たな区割りの前提にされた20年の国勢調査では、最多の東京都と最少の鳥取県では25倍以上の人口差がある。東京圏には総人口の29.3%が集まっており、議員定数配分 ………
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