崩れ始めた「IRJ」の神通力

インサイダー疑惑で副社長退任というお粗末。本当に「アクティビストの守護神」なのか。

2022年8月号 BUSINESS

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「おたくはどうするの?」6月2日、東証プライム市場に上場する大手企業の総務担当役員は、そんな電話を何本も受けた。企業の株主対応支援を手掛けるアイ・アールジャパンホールディングス(IRJHD)の事務所に証券取引等監視委員会のガサ入れがあったという噂が大手企業間で広がったためで、電話の趣旨はIRJと結んでいる業務委託契約を継続するべきか、打ち切るべきか、対応を聞こうというものだった。

含み損が大きくなって最悪

翌3日、IRJは副社長兼COO(最高執行責任者)の栗尾拓滋が一身上の都合で退任したと発表。週明け6日には「強制調査が行われたのは事実。元役員が嫌疑の対象になっていると理解している。調査に全面的に協力する」というコメントを出した。IRJは2021年4月16日、同社が受注していた大型案件の進捗遅れなどを理由に、21年3月期の売上高が従来予想を14億円超、営業利益が6億円下回ると発表している。これ ………

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