何とも瑣末な「いちゃもん」で雲散霧消。ビジョナリーとしての神通力に陰りも。
2022年8月号 BUSINESS
買収をめぐり米ツイッターに揺さぶりをかけ続けていた起業家イーロン・マスク氏が、遂に4月に合意した買収の破棄を通告した。偽アカウントの推計値を検証するためのデータを求めたのに対し、ツイッターが部分的にしか対応せず契約に違反したと問題視。「言論の自由」を主題とした巨大SNSの買収狂騒曲は、奇術師マスク氏一流の脱出劇で雲散霧消することになりそうだ。「私に対する最悪の批判もツイッター上に残してほしい。それが言論の自由というものだから」。買収に際し、マスク氏が掲げたのが「言論の自由」だ。このレトリックは、米国内のイデオロギー対立と密接に関わっている。2016年の米大統領選では、大方の予想を覆し、共和党候補のトランプ氏が勝利した。しかし、その後、ロシアの情報機関がツイッター、フェイスブック、ユーチューブを駆使して、トランプ氏に有利になるような情報工作を展開 ………
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