「国産」を錦の御旗に、たった69人の臨床試験から有効性を推定された治療薬を押し付けられた国民はたまらない。
2022年8月号 LIFE [身の程知らず]
コロナの流行が始まり、2年半が経過した。2月24日にはロシアがウクライナに侵攻し、世界は不安定さを増している。安全保障の観点から食糧から経済まで様々な産業で国産化が求められている。その中の一つが医薬品だ。2月21日、日経新聞は「特集 医療有事、政府に司令塔を日経・日経センター緊急提言」の中で、「国の安全保障上の観点からも国産品の実用化を急ぐべきだ」と主張している。岸田総理も「国内で開発、生産できる体制をつくっておくことは、国民生活に不可欠な物資を危機の時や短期間に必要とするすべての国民に供給しなければならない事態において極めて重要」(1月26日、衆院予算委員会)や「早期実用化に向けて優先かつ迅速に評価を進め、安全性、有効性が確認された場合には速やかに承認し、国内に必要量を供給したい」(2月28日、参院予算委員会)などの発言を繰り返している。しかしな ………
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