LNG調達の約半分をサハリンに依存。緩い社風は変わらず、降って湧いた危機に臨む経営陣が頼りない。待つのは再編か。
2022年9月号 BUSINESS
中国地方最大のガス会社、広島ガスが苦境に直面している。同社は液化天然ガス(LNG)購入量の半分をロシアの石油・LNG開発事業「サハリン2」に依存。今年2月のロシア軍のウクライナ侵攻後、悪化する日露関係を背景にロシア大統領ウラジミール・プーチンはLNG輸出遮断をちらつかせ、6月末の大統領令では英日露合弁のサハリン2運営会社を廃し、ロシア政府が設立する新会社へ移管する方針を打ち出した。サハリン2からのLNG調達が遮断された場合、広ガスの代替調達コストは連結営業利益の10倍超に達するとの試算もあり、同社の経営危機が業界再編の引き金になる可能性も取り沙汰され始めた。「サハリンのLNGの行方は我々の業界には死活問題。禁輸になれば債務超過に陥るガス会社も出てくる」。ロシアのウクライナ侵攻から4日後の2月28日、英石油大手シェルがサハリン2の運営会社サハリンエナジーからの撤退 ………
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