デマだらけ 中国「千人計画」脅威論

甘利ブログと読売キャンペーンで研究者に大バッシング。国益にも経済安保にも有害だ。

2022年10月号 BUSINESS

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〈[経済安保 見えない脅威]〈4〉「極超音速」 和製技術も…流出阻止へ新制度導入〉――。読売新聞は2022年2月、こんな見出しの記事を掲載した。日本人研究者が中国に移籍するのは高待遇に目がくらんだため、という見方に立った上で、中国に対抗するにはトップ研究者の待遇をより上げるべきだと主張している。しかし、本誌9月号「『使い捨て』される研究者」で指摘したよう、特定の研究者や研究機関へ予算を「選択と集中」する政策こそ、研究環境の疲弊そして研究者の雇用環境の不安定化を生み出し、逆に中国に渡る研究者を増やした。読売の提言では、人材流出はむしろ加速するだけであろう。中国「千人計画」を巡るデマが蔓延することで、かえって国益が損なわれる。真に警戒すべきこととは何か。中国の人材招聘プログラム「千人計画」が注目を集めたのは20年。発端は菅義偉内閣による日本学術会議の会 ………

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