EVシフトに真正面から盾を突いたことを米メディアは「汚点」と報道。太鼓持ちに囲まれているから不用意発言に気付かない。
2022年11月号 BUSINESS
「完全自動運転車の実用化に時間がかかっているように、電気自動車(EV)もメディアが言っているほどすぐには主流にならないだろう」。トヨタ自動車社長の豊田章男は9月末、全米のディーラーの代表者にこう語りかけた。米ラスベガスで開いたディーラー大会での一コマだ。
EVの普及の前提となる電池やその素材の供給には制約があり、充電インフラも十分に整っているとは言い難い。価格はまだ高く、各国の補助金頼みというのが実情である。こうした事情を考えれば章男の発言は至極真っ当に聞こえるが、自動車産業の取材歴が長いあるジャーナリストは「あまりにもタイミングが悪い」と嘆息する。というのも、米国では大陸の両側で「脱ガソリン車」を推進する政策が強力に進められつつあるからだ。8月下旬にはカリフォルニア州が、2026~35年にガソリン車の販売を段階的に禁止する規制案を決めた。1か月後 ………
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