地銀にとっては美味しい商品だが空気を読んで販売自粛。金融庁の真意は伝わっている?
2022年11月号 BUSINESS
「元本を大幅に割れている」「そもそも仕組みがよくわからない」顧客のこんな声が相次ぎ、地方銀行がいま対応に苦慮しているのが、仕組債と呼ばれる金融商品だ。8月31日、金融庁が2022事務年度金融行政方針で金融商品の販売姿勢について触れるなかで「特に、仕組債は複雑な商品性を有しているため、顧客によっては理解が困難な上、実際にはリスクやコストに見合う利益が得られない場合がある点を踏まえる必要がある」と指摘。顧客から苦情が出ていることがメディアで報じられるようになり、三井住友銀行や三菱UFJ銀行、千葉銀行をはじめとして、銀行は次第に販売を停止、自粛するようになった。仕組債とは、デリバティブ(金融派生商品)などを組み込むことで一般的な国債や社債よりも高い利回りを見込む債券だ。その仕組みは複雑で、安定した利回りを見込める債券と名前は似ても似つかない。元々は機関 ………
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