2022年11月号 BUSINESS
安倍晋三元首相が暗殺されたことで、自民党と旧統一教会のズブズブの関係を多くの国民が知るところとなった。「モリカケ」や「桜を見る会」の問題は脇に置いておくとしても、7年8カ月に及んだ安倍政権とアベノミクスに対する評価は改めて検証する必要がある。デフレ脱却を目指した異次元緩和で株価が上昇したのは間違いない。緩やかに景気が回復し、雇用も伸びた。総務省の労働力調査によると、就業者数は2012年の6280万人から20年には6710万人へと430万人(7%)増えた。それを支えたのは女性とシニアなのだが、実態はパートやアルバイト、嘱託といった非正規シフトで、賃金は伸びなかった。増加した就業者の64%は非正規だった。非正規でも正規並みの給料をもらえていれば問題ない。安倍政権は「同一労働同一賃金」を唱えていたが、実現にはほど遠い。非正規の待遇改善が進まないまま、正規の賃上げ抑 ………
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