防衛力強化 読売・日経抱き込む「人事の岸田」

有識者会議のメンバーに「ナベツネの腹心」山口寿一社長を登用。姑息な「マスコミ懐柔策」。

2022年11月号 POLITICS

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9月30日、首相官邸に官界、財界、学界、そしてメディアの「大物」が集まった。岸田文雄首相が防衛力強化のあり方を話し合うため設置した有識者会議のメンバーだ(表参照)。座長を務めるのは外務事務次官や駐米大使を務めた佐々江賢一郎氏。これに防衛省で長らく「エース」とみなされ、事務次官で退官した黒江哲郎氏が加わった。財界からは三井住友フィナンシャルグループの國部毅会長が選ばれた。

読売に負けじと日経も

注目を集めたのが、メディアから参加した委員だ。読売新聞グループ本社の山口寿一社長、日経新聞の喜多恒雄顧問が名前を連ねた。9月30日の有識者会議初会合には欠席したが、朝日新聞OBで国際文化会館グローバル・カウンシル・チェアマンの船橋洋一氏も委員だ。喜多氏と船橋氏の場合は一線を退いた「ご意見番」であり、有識者会議の委員としては選ばれて不思議ではない。しかし、山口氏は発行部数日本一 ………

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