資材価格高騰で業績悪化。「バブル謳歌」を棚に上げ、価格転嫁を懇請する虫の良さ。
2022年12月号 BUSINESS
セメントやH形鋼が1.5倍、合板や建築用ガラスが2倍――。資材価格が昨年来急騰した結果、ゼネコン各社が業績見通しの下方修正に追い込まれている。業界団体の日本建設業連合会(日建連)は発注者に対し、受注済みの工事について価格転嫁の交渉に応じるよう求めているが、公共工事で脅しは利いても不動産デベロッパーなど民間の大口顧客は馬耳東風。東日本大震災の復興需要や東京五輪工事で“濡れ手に粟”のぼろ儲けをしたゼネコンが「今さら何を言う」と同調の気配は皆無だ。
「想定外のリスクを受発注者双方でどう負担するか、民間(企業)のみなさんも一緒に考えてほしい」。10月20日の日建連の定例記者会見で、会長(清水建設会長)の宮本洋一(75)は業界の苦悩をこう訴えた。同席した副会長(鹿島会長)の押味至一(73)は「円安の嵐の中で今後物価高騰に拍車が掛かる」と危機感を煽った。同じく副会 ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。