「ジェネリックは欠品、先進的な医薬品は日本をパス」。我が国でも薬が手に入らなくなる日がやって来る!
2022年12月号 BUSINESS [軋む「皆保険制度」]
外は明るいのに病院の事務長室から見える風景は暗い。西日本にある、この民間病院は今、存続の危機にあるからである。入院希望の患者はいるのに入院させられず、収益が落ちている。今も内科の医師が事務長室に来てひとしきり文句を言って帰っていった。この医師は優秀で手を抜かない良い先生だが、その分、他人にも厳しい。必要な薬が手に入らない以上、患者の治療はできない、治療ができない以上、入院させられないと、薬剤部長に言っても埒があかないから事務長に文句を言いにきたのである。しかし薬が手に入らないのは事務長の責任でも薬剤部長の責任でもない。医薬品の卸に薬がないのである。それも一種類や二種類ではないから始末に負えない。似たような効果の薬も品薄で発注した分の何分の一しか納品されない出荷調整中だという。ジェネリックメーカーが不祥事で相次いで処分を受けたのがきっかけ ………
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