公取委が政権に忖度?中部電力を「蛇の生殺し」

カルテル問題で林社長を引責辞任させ、綱紀粛正で会社を立て直したいのに行政処分が出ない不可解。

2022年12月号 BUSINESS

  • はてなブックマークに追加

長らく電力業界で長男は東京電力、次男は関西電力とされ、中部電力は3男坊扱いだった。しかし戦前に遡ると業界地図は全く異なる。業界を牽引していたのは「電力の鬼」と呼ばれた松永安左エ門と、福澤諭吉の婿養子で「電力王」の異名をとった福澤桃介。1909年に福博電気軌道を設立し、電力事業に関わり始めた松永は、水力発電会社をいくつも吸収しながら九州電燈鉄道に発展させた。桃介は松永に口説かれて福博電気軌道の社長に就任、その後は名古屋電燈の筆頭株主となった。桃介は名古屋電燈と関西水力電気を合併して関西電気を発足させ、続いて九州電燈鉄道と関西電気を統合・再編して1922年に東邦電力を設立した。中部、関西、九州をカバーする巨大電力会社が誕生した。さらに東邦電力は東京へ進出して子会社を設立、先行する東京電燈(現東京電力)と覇を競った。1927年、子会社は東京電燈と合併し、 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。