「アームに没頭」孫正義の船中八策

世界のCPUで米中対立が激化すれば、アリババの大株主でもある孫がキャスティングボートを握るチャンス。

2023年1月号 BUSINESS

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それは「お別れ会見」だったのだろうか。ソフトバンクグループ(SBG)の2022年9月期中間決算の説明会。「決算発表で自分が登壇するのはこれが最後」と言い残し、孫正義は会場を去っていった。経営者人生の集大成と挑んだファンド事業は世界的なコロナ禍とインフレで「打ち方やめ」に。孫は「SBGは投資会社」と宣言しており、その投資会社が投資をしないのだから、孫の仕事はない。売却し損なった半導体子会社「英Arm(アーム)ホールディングスの経営に没頭する」という。希代の起業家、孫正義はここで終わってしまうのだろうか。

アームの価値は6~7兆円

11月11日に開かれた記者会見。壇上に孫の姿がない。いつもなら孫がいるはずの壇上右端に座っていたのはCFO(最高財務責任者)の後藤芳光だ。孫は開会のアナウンスの後、舞台袖から現れ、こう切り出した。「私がこの場に立って四半期ごとの決算や戦略についてプレゼンする ………

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