防衛費は大幅積み増しも、国内防衛産業は撤退続出。東芝を核にした事業再編論ジワリ。
2023年1月号 BUSINESS
岸田政権が防衛費の大幅増額を決定したが、防衛産業から撤退する企業が止まらない。この20年で軍需関連事業から離脱した日本企業は100社以上。2022年だけでも油圧機器大手のKYB(カヤバ)が航空機向けアクチュエータ(動力装置)、住友重機械工業が新型機関銃、島津製作所が航空機向け電装品からそれぞれ撤退。限られた需要と低い利益率が企業の事業継続意欲を阻んでいる。島津の撤退が注目を集めたのは読売新聞が経済面アタマ記事で報じた11月初め。ただ、社長の山本靖則(63)はかねて「採算面の話だけではない。開発が停滞して日本の防衛関連の技術力も落ちている。今のままでは続けられない」と防衛産業の問題点を指摘していた。
京都の仏具職人から身を起こした島津源蔵(1839~94年)が1875年に創業した同社は1936年に航空機事業に参入。55年から航空自衛隊向けに空調機器やコックピットディス ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。