マイナンバーカードに「根本的な欠陥」

独り歩きする「個人番号は秘密」の呪縛。このままでは行政のデジタル化は進まない。

2023年1月号 LIFE

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政府が2024年秋に現在の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードに一本化する方針を打ち出した。これまでマイナカードは任意の取得を求めてきたが、これを転換し、事実上の義務化に舵を切った。岸田文雄首相は「マイナカードはデジタル社会のパスポート」と訴え、国民に取得を促す。これによって政府が掲げる「来年3月末に全国民にマイナカードを普及させる」との目標にできる限り近づけたい考えのようだ。だが、政府が進めてきたマイナンバーの制度設計に根本的な誤りがあり、カード普及の大きな障壁になっている。政府は制度導入を優先するためにマイナンバーを特定個人情報に分類したが、これによって「個人番号は秘匿性の高い情報」との誤解が独り歩きし、番号が刻印されたカードの普及を妨げている。政府関係者は「このままではマイナカードは普及せず、行政のデジタル化も進まない」と危機感を募 ………

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