スクープ! 東芝買収で始まる「解体ショー」

JIP陣営のオリックスと銀行団が資金使途を巡り真っ向から対立。いつの間にか「まな板の鯉」のカタストロフ。

2023年2月号 BUSINESS

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「話が全然違うじゃないか」――。昨年12月、東芝社長の島田太郎は日本産業パートナーズ(JIP)が提出してきた買収提案の素案を見て、社内でこうぶちまけた。怒りを露わにするのも無理はない。島田率いる東芝経営陣が当初、JIP案に全面的に乗ったのは、その提案内容が自分たちの利益に合致していたからに他ならない。何しろ経営陣は続投を許され、事業は何も切り離さずに済むという構想だ。「大東芝」がそのまま温存される案は、島田らにとって願ったり叶ったりだった。だからこそ、島田らは東芝の取引先業者に片っ端から声を掛けまくり、JIPを軸とした奉加帳方式の出資スキームへの参加を求めたのである。だが、JIPが実際に提示した買収計画案は、当初打診した案とは全く異なるものだった。確かに、経営陣として島田や副社長の柳瀬悟郎らは残るかたちにはなっているが、主要役員ポストは最大の出資者とな ………

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