東電取締役でもあった元経産次官は「原子力の灯」を消すわけにはいかないと、原発の効能を日々訴えた。
2023年2月号 BUSINESS
「聞く力」の岸田文雄首相らしい「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」の結論だった。今後10年間のエネルギー安定供給と脱炭素化のために、既存原発の60年超の運転を認めたうえ、次世代原発の開発を進めるなど原発に回帰する一方、償還財源を炭素税などとする20兆円の「GX経済移行債」を呼び水に官民で150兆円を調達し、再生可能エネルギー(再エネ)などで脱炭素を推進する――。電力業界関係者が等しく口にするのは、岸田氏を操る高級官僚らの巧みさである。「原発回帰は、支持を集めて選挙に強かった安倍(晋三)元首相ですら成し得なかったこと。ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー事情のひっ迫などで国民的理解を得やすい状況はあったものの、岸田さんは経産官僚の“振り付け”に素直に従ってくれた。またGX債の財源を国債にしないなど財務官僚の意向も汲んだ。『霞が関の勝利』と ………
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