事務長のぼやきシリーズ・第3弾 病院の「虎の尾」 看護部長

看護師の昇給を謳った診療報酬改定のはずが、看護師以外の給与改善にも使ってもいいなどと国が言い出したから、なだめ役の事務長は、さあ大変。

2023年3月号 LIFE [なぜ看護師だけ?]

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外は明るいのに病院の事務長室から見える風景は暗い。西日本にある、この民間病院は今、存続の危機にあるからである。つい今しがた看護部長がすごい勢いで事務長室に乗り込んできて、このままでは病院の看護師がみな辞めてしまうと脅されたところだ。民間病院では三役といって病院のトップである病院長と、事務管理を束ねる事務長、看護職を取りまとめる看護部長の3人が幹部となっていることが多い。検査技師長でも薬剤部長でもなく看護部長なのは看護職が病院職員の半数近くを占めるからである。ここの看護部長は親分肌でよく看護師たちを取りまとめている優秀な幹部だが、時に看護師たちの利害代表者として振る舞い、病院長や事務長を突き上げてくる。ここで看護部長を怒らせるのは「虎の尾」を踏むようなもの、看護師たちの不満を収めてくれなくなると本当に大量の退職者が出かねない。うちの院長は ………

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