政府系ゆえの商工中金 「民営化の蹉跌」

見直す予定の「危機対応融資」は温存。新たなビジネスモデルは確立できたのか。

2023年3月号 BUSINESS

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その印象は良くも悪くも「地方銀行以上、メガバンク未満」と地銀や経営者。そして「政府系だからこそ」――。こう評されるのは現在、完全民営化が議論されている政府系金融機関、商工組合中央金庫(商工中金)である。経済産業省が設置している「新たなビジネスモデルを踏まえた商工中金の在り方検討会」での議論を踏まえ、商工中金の政府保有株式を完全売却する法案が今国会で提出される見通しだ。商工中金の株主構成は、2022年9月末時点で政府が46.69%、残りは中小企業組合といった状況。このうち政府保有分の売却時期や売却先などを詰めなければならない。

小泉行革まで遡る議論

「地銀が貸しづらい先にも、政府系だから低金利で貸せるのは強い」と関東地方の地銀幹部。「財務が悪い企業にも経営を支援し、危機関連融資で助けてくれたが、それが民営化で縮小されると旨味がない」と話すのはある中小企業コンサルタント。 ………

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