開明派だが「名ばかり首相」。習主席のアンチビジネス路線を進めていかざるを得ない。
2023年6月号 DEEP
「国務院(中央政府)はまず政治機関であり、必ず旗幟鮮明に政治を重んじなければならない」。中国の新首相となった李強氏が初めて開いた国務院常務会議(3月14日)は、このような基本方針を打ち出した。会議ではさらに「二つの確立」「二つの擁護」といった習近平国家主席(共産党総書記)に対する個人崇拝スローガンを並べて、習主席の重要指示の精神を体系的に学ぶ必要性が強調された。要するに「経済より政治が重要」「政治イコール習主席への服従」ということだ。経済政策の執行を担う国務院の新指導部が最初に掲げる大方針としては、いささか奇妙な文言であり、巨大組織の国務院が習主席率いる共産党中央の単なる下請けになったかのような印象を与える。李首相はなぜ、ここまで習主席に対する忠誠心をアピールするのか。そもそも、どのような人物なのか。
李氏は1959年7月生まれで、浙江省瑞安 ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。