6月30日、新大阪駅に近いサワイグループホールディングスの本社で会議が開かれた。創業家の澤井光郎会長兼社長（66）が幹部20人ほどを緊急招集したのだ。説明されたのは2年前に導入した持ち株会社制の意図や、3日前の株主総会で末吉一彦前社長（65）が就任からわずか2年で退任した件、それに光郎氏の義理の従兄弟の澤井健造氏（55）が代表取締役副会長を退任したことの3点だった。ただ、出席者は皆、得心がいかない様子。持ち株会社に関する今さらの説明自体が不可解だし、今回の人事の背景についても分からずじまいだった。社内のあちこちで囁かれる揣摩憶測は止みそうにないという。ジェネリック医薬品大手のサワイは、間もなく創業100年を迎えようかという老舗企業だ。現在は持ち株会社傘下の事業会社となった沢井製薬の前身となる薬局が範平・乃よ夫婦により大阪市内で開業したのは1929年。次男・治 ………