選挙対策の目玉政策を否定する衝撃的な内閣府の試算。これが出回れば政権にとって大きな痛手だ。
2023年8月号 DEEP
岸田文雄首相が主導する「異次元の少子化対策」を巡る多様なメニューは打ち出されたが、財源の裏付けを確保するための具体的な議論は年末まで先送りされた。「2030年代初頭に子ども関連予算の倍増を目指す」と高らかに宣言した岸田首相だが、実現に向けた道筋は描かれていない。こうした中である試算が関係者の注目を集めている。政府による少子化対策の効果を科学的に分析し、児童手当の拡充などの給付措置を講じても、今後の出生率に与える影響は極めて小さいと断じている。大規模な少子化対策を次期衆院選の目玉と位置付け、政権浮揚を目論む岸田政権にとっては衝撃的な内容だ。それだけにこの試算は政府内で密かに封印される格好となった。
「わが国にとって30年代に入るまでが少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンスだ」岸田首相は6月13日、自身の肝いりで発足した「こども未来戦略会議 ………
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