米国での不正利益供与とよく似た構図が国内にも。内視鏡研究助成を行う公益財団法人を陰で操る。
2023年10月号 BUSINESS
いすかの嘴の食い違いとはこのことか。オリンパスが手塩にかけて稼ぎ頭に育て上げてきた米国での医療機器事業でまた躓いている。内視鏡事業で品質や法規制対応を巡って米食品医薬品局(FDA)から警告書を受け、3年間で600億円とされる費用負担を強いられる見通しになった。単に600億円もの費用負担が嫌気されていると言うよりも、IT投資にしてはあまりに高額であり、2016年に740億円を支払って米司法省と和解した不正利益供与問題が投資家の頭をよぎるせいでもあるのだろう。米国や南米で医師や病院に寄付金を支払ったり、機器を貸し出したりといった行為が不正な利益供与とみなされた、あの問題だ。オリンパス株は昨年9月に3198円の高値を付けた後、長い下落局面に突入。今年8月にはその半値近くにまで深押しした。5月の決算発表でシュテファン・カウフマン最高経営責任者が米国事業の立て直しに多額の ………
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