「本当にあのような発言をされたのでしょうか。にわかに信じがたい」――。企業法務関係者の中で9月中旬、話題となった発言がある。セブン＆アイ・ホールディングスが8月31日に開いた臨時取締役会での出来事だ。傘下（当時）の百貨店、そごう・西武の売却を巡り、この日は米投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループに売却を諮る取締役会があった。翌9月1日に譲渡できないと売却先から数百億円の違約金がセブン＆アイに課されれば会社に多大な損失を与えたとして株主代表訴訟を起こされる、のっぴきならない事態を迎えるところだったという。「あのような発言」とは、そんな緊迫した空気が漂う中で飛び出した。その模様を9月11日の日本経済新聞朝刊「ルポ迫真」でこう綴られている。「『労組のストに屈するようでは時代錯誤だ。延期はすべきではない』。8月31日午前、セブン＆アイで開かれ ………