最も懸念されるのは日本の論文の「質の低さ」。被引用度が低く、注目されず、低品質を量産している。
2023年12月号 BUSINESS
科学雑誌「ネイチャー」と言えば世界で最も権威があり、最も読まれ、最も引用される科学ジャーナルである。その「ネイチャー」の公式ウェブサイトに「日本の研究力はもはや世界レベルにない」(10月25日)との記事が掲載された。「日本は世界最大級の研究コミュニティーを持ちながら、世界レベルの研究への貢献度は低下し続けている」との内容だ。科学技術分野での日本の研究力低下は、「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」や「クラリベイト」でも指摘されているが、「ネイチャー」に見放されたとなると影響が大きい。というのも博士課程進学者をはじめ、世界の優秀な若手研究人材は皆、「ネイチャー」や「サイエンス」を参考に、最先端の研究が行われている国の大学・研究機関を目指すからである。
記事がベースとしたのは文部科学省傘下のシンクタンク「科学技術・学術政策研究所」が今年8月8 ………
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