コロナ禍で頻発した診療拒否の反省もなく進んだ報酬改定議論。浪速の総合診療医は言う。「医者は患者を診てなんぼ」と。
2024年1月号 DEEP [日医の「強欲」]
大阪のJR天満駅から日本一長いといわれる天神橋商店街を通り、東へ進むと8分程で着いた。「T・I・C 谷口医院」(北区野崎町)。日本語の名前の下に「Taniguchi International Clinic」と英語名が書かれてある。診療拒否に遭いやすい外国人の患者への配慮だ。院長は「なんでも診る総合診療医」を自認する医師の谷口恭(やすし、55歳)。22年10月に初めて取材で会ってからちょうど1年ぶりの再会だった。診療の傍ら毎日新聞と日本経済新聞の医療サイトに、何年も前からコラムを書き分けており、診療や海外論文のフォロー、原稿執筆に相変わらず大忙しのようで、アポは日曜の夕方。もう陽が落ちかけていた。新型ウイルスコロナ禍で、日本の医療提供体制の脆弱さが露呈した。感染拡大のたびに発熱しても診てもらえない人が巷にあふれ、重症化しても入院できずに自宅で死亡する人が相次いだ。特にここ大阪で ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。