外国人プロ経営者を解雇した三菱ケミカル

再編期待も業界の信用得られず3年で用済み。橋本指名委員会委員長ら社外取の任命責任はどこへやら。

2024年2月号 BUSINESS

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化学業界最大手の三菱ケミカルグループの社長人事が大きな波紋を広げている。鳴り物入りで外国からプロ経営者のジョンマーク・ギルソン氏(60)を招聘したが、わずか3年で実質的に解任することを決めたからだ。ギルソン社長は採算が悪化している石油化学(石化)事業の再編を主導する役割を期待されたものの、思ったような成果を挙げられなかったのが解任の主な理由だった。ギルソン氏に代わって4月1日付で社長に昇格するのは、同社で石化事業を長年率いてきた筑本学副社長(59)だ。業界内では「日本市場を知らない外国人社長に業界再編を求めるのは、最初から無理な注文だった」との声がもっぱらだ。ギルソン氏の再編構想に問題があったのは無論だが、外国人プロ経営者を招くトップ人事を決めた社外取締役の任命責任を問う動きも強まりそうだ。

突如「実質解雇」の衝撃

「我々の会社は外資系企業になってしまうのか」――。三 ………

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